手取り13万円だけど丁寧な暮らしがしたい

田舎の雑貨屋でアルバイト、へんてこアパートでひとり暮らし。

僕の初恋相手は男友達でした。

特別お題「今だから話せること

 

僕の初恋の相手は男友達だった。いや、友達ですらなかったかもしれない。クラスメイトである彼はクラスで人気もので男女共に友人が多く、はじけるような笑顔とちょっとお調子者のキャラクターでクラスのムードメーカーのような存在だった。当時の僕はそんな彼とは正反対で静かでおとなしく、ひとりで過ごす事が多かった。

とある日の放課後、僕はひとりで委員会の作業をしていた。すると部活に向かう彼が体操着を忘れたらしく、体操着を持ってないかと聞いてきた。教科書や体操着を学校に持ってくるのが面倒だった僕はだいたいの物をロッカーにストックしており、それを知るる友人や知人が借りに来ることはよくあった。もちろん体操着もあったので彼に体操服を手渡す。「サンキュ、洗って返す!」といって走って体育館へ向かった。

一通り作業を終え、なんとなく体育館のほうへ向かう。人気者の彼が僕の体操着を着て部活動をしているのが面白い半分ちょっと誇らしいような。どんな感じで部活動をしているのが見たくなったのだ。半分開いた体育館のドアから様子を伺う。

居た。バスケ部の彼は僕の体操着を着てドリブルとしていた。僕と比べるとだいぶ小柄な彼。ちょっとぶかぶかなのがかわいく見えた。そして普段クラスではお調子者の彼が顔にたくさんの汗をかいて真剣な表情でドリブルをしているのがかっこよく見えた。

 

後日、「サンキュ、助かった!」と洗濯し綺麗に畳まれた体操着が戻ってきた。僕の家とは違う柔軟剤の匂いにすこし緊張した。

 

しばらく彼とは交流もなく時間が過ぎたがすこし気になるような、憧れのような存在になっていった。そして学園祭の時期に。高校3年生である僕はこれが最後の学園祭である。今までおとなしく過ごしていた学園祭、高校生活最後の学園祭ぐらいは憧れてた模擬店の係とクラスの催し事であるダンス発表に両方とも参加した。今思うとすごいアグレッシブだったと思う。そして当時の僕をほめてやりたい。最高の選択をしたぞ、と。

 

模擬店の準備では、買い出しという名目で平日の昼間から制服で学校を飛びだし、近くの小さなショッピングセンターで買い出し。なんだかすこし悪いことをしているような、特別な事をしてるかのようで楽しかった。放課後はダンスの練習。クラスの半分ほどのメンバーが参加していて、あの彼も参加していた。クラスで元々リーダー的存在の女の子と彼2名がリーダーとなって練習した。だが練習はまだ学園祭まで日にちもあるせいか真剣にやる人が少なく、それぞれの部活動や委員会も重なり、ぐだぐだしていた。

ある日にリーダーの女の子が、夜に空地でダンス練習しようと提案。放課後は部活動もあるしなんにせよ暑い。土日の夜なら部活もないし多少涼しいんじゃないか、とのことであった。模擬店も同時進行で準備していた僕はあまり練習に参加出来てなかった事もあり参加することに。なんだかんだみんな集まるだろうと思っていた。

そして夜練習の日、自転車で空き地へ向かう。するとリーダーの女の子しか居なく、待ち合わせの時間が過ぎても誰も来なかった。あはは誰も居ないね~となんだか気まずい雰囲気に。すこしすると遅れて彼が自転車を全力で漕いでやってきた。さすがクラスのムードメーカーである、彼が着いたとたん一気に雰囲気が良くなり、3人しか集まらなかったと3人で大爆笑した。でもなんだかんだ1時間ほどは真面目に練習してたと思う。待ち合わせ時間自体もそこそこ遅かったため、だいぶ深夜になってしまった。

普段夜出歩かない僕はすでに少しどきどきしていたと思う。そろそろ帰ろうか、と待ち合わせ場所から近所のであるリーダーの女の子は帰り、僕と彼は帰る方向が一緒のためふたりで帰ることに。ふたりきりでぽつぽつとしゃべりながら帰る。クラスで人気者の彼とおとなしい僕がふたりきりになったのは、あのときの体操着を貸したときぐらいだなと思っていると少し前で自転車を漕ぐ彼から汗の匂いと貸した体操着から知った彼の柔軟剤の匂いを感じでドキっとした。

みんな練習こなかったじゃんやべーなと笑う彼の顔を見てさすがにこれは憧れでも気になるだけでもなく恋だなと実感した。

 

その後に彼に対する僕の感情は完全に片想い。彼が大勢の友人達と楽しそうな顔をみてもやもやと嫉妬してしまったり、僕より部活動で鍛えたであろう身体や手に触れたいと思った。

彼に対しての片想いに実感すると共に当時付き合っていた彼女に対する感情と違和感を感じてしまった。彼女とは、とても仲がよくお互い信頼していた。ただしテレビや漫画で観るような嫉妬心や深いスキンシップは全く無く、ほとんど友達のような親友のような関係であり、今まで彼女に対する友情を恋愛感情だと思い込んでいたのだ。

 

そして彼女にその事を話した。これまでもこれからも無いであろうと思うくらい緊張した。初めてのカミングアウトが付き合っていた彼女である。話した内容は覚えていない、だけど真剣に聞いてくれた顔と話をしていた部屋の光景は忘れていない。そして彼女の就職と引っ越しのタイミングで連絡がつかなくなった。

連絡がつかなくなってから数年後、偶然SNSで彼女は結婚しており幸せそうにしているのを見かけた。うれしさ半分、なんだかすこしホッとした。無自覚とは言え、貴重な学生生活の恋愛を騙してしまった罪悪感がすこし和らいだ気がした。

 

...と色々あったのだが、今僕の膝の上で寝ているのが当時片想いしていた彼です。なんて言えたらよいオチだったのだが現実はそうもいかずに、もちろん告白するわけもなく、特別仲良くもならずに、高校を卒業し連絡先も知らない...そんな感じだ。現実はそんなもんよね。

 


 

いかがでしたでしょうか(?) 当時、自分がクラスメイトの同性を好きでしたーとか無自覚とは言え付き合っていた彼女に対して恋愛感情が無く騙していたような状況だった、なんてそうそう人には言えない話。ここ数年、LGBTQ+などマイノリティな話がしやすくなったのと、元彼女の幸せそうなSNSを見かけそろそろ時効かな...と思ったのでずっと心にしまっていた学生時代の出来事を文章にして記録してみました。

時々マイノリティな話をふわっとしてみたり、ブログを始めた当初は男性パートナーが居たので時々日記として記事に出てきたりして、察してくれている人も少なからず居たと思うのだけど、がっつりマイノリティな話一本で終わらすのは初めてかも。そもそも手取り12万の生活を記録するブログだしね。

だけど私自身の考えや希望でもあるんだけど、手取り12万の私なのでこういうご飯を作っています。たまには旅行もしちゃいました!そんでもって男なんだけど男好きなんですガハハ!で先月の出費と支出はこちらです!みたいにさらっと流れちゃうくらいにしたいんですよね。結婚の事とか、制度の事とかで声を上げていかないといけない事もあるけど私としてはその先である、良い意味での無関心にまで持っていきたい。日常や暮らしにしれっと溶け込んでる感じにしたい。

 

では今日はこのへんで

あんころもちお