手取り13万円だけど丁寧な暮らしがしたい

田舎の雑貨屋でアルバイト、へんてこアパートでひとり暮らし。

安全に肝試ししたかっただけなのに

今週のお題「ゾッとした話」

 

10年程前、私が大学生だった頃(大学生だったのが10年前という事にゾッとした)友人と二人でキャンプに行くことになった。テントや寝袋などの道具類は一切持ってなかった為、寝るときはバンガロー、食事するときはバンガローの軒先でBBQというお手軽スタイル。

オフシーズンの平日っていうのもあってかなり安く、しかも空いていた。管理人から今日泊まるのは貴方達だけだよって言われた。貸し切り状態で私達はかなりテンションが上がっていた。

さっそくバンガローに入ってみる。事前にネットで調べていたのである程度は知っていたが、バンガローといっても寝床だけでトイレやキッチンなどの施設は無く、本当にただの小屋。もちろん風呂やシャワーも無い。近くに銭湯も無い。いまどきのキャンプ場のように設備が揃っていたりテントが設営しやすいようにある程度地面が整えられていたりするタイプのキャンプ場では無かった。今思うとそこそこ経験者向けのキャンプ場だったんだろうなと思う。

 

一度車で山をおり、地元の小さなスーパーで食材。ホームセンター(勿論コメリ)で炭を購入。

gotravel.blog.jp

誰もいないキャンプ場でBBQを楽しんだ。BBQをしている途中で管理人が今日はこのへんで帰るから。何かあったら電話して、と言い残し帰って行った。これで本当に貸し切り状態だ。(今思うと管理人居ないってすごいな)

 

BBQも終わり、ふたりで珈琲を飲みながらぼーっと火のついた炭を見つめる。実は怖い話や都市伝説などちょっとホラーなコンテンツが好きな私。ちょっと夜の森を探索してみようよと提案。ホラーなコンテンツが好きといっても心霊スポットや廃墟探索はあまり興味が無く(心霊的な恐さよりそもそも不法侵入だし不審者とか動物のほうが怖い)、ここならキャンプ場内だし合法的に安全な肝試しが出来るのではと思ったのだ。

ただ熊や猪が出てきたら危険なのである程度は車で行くことにした。木々の隙間にバンガローやテントサイトがあるキャンプ場。道らしい道もなく、ソロソロと森の中を進んでいく。車のライトはついているしナビの明かりもあるので気付かなかったが、いざエンジンを切って車を出ると本当の真っ暗だった。木々で遮られていたのもあり、月や星も全く見えずにすぐ数センチ先も見えなかった。隣に要る友人も見えない。

普段田舎に住んでいるとはいえ、外灯やコンビニなどの光で家の中でも完全な真っ暗にはならない。ここまで真っ暗なのは初体験。視界が遮られる為か、風や草の揺れる音、土の匂いが際立った。今でもぼんやりのあの感覚を覚えている。

暗闇に圧倒され二人で無言で数分間立ち尽くしているとふと真っ暗で何も見えない空間からそれ以上に黒い猪くらいの動く何かを見てしまった。風や草の揺れる音はするのにその黒い物体からは全く音がしなかった。なぜかこちらも音は立ててはいけないような気がして静かに友人の手を引き車に戻った。私の事を察したのか、友人にも見えていたのか静かに後退りするように車にもどりゆっくりと引き換えした。バンガローが見えるまで一言もしゃべらずにただひたすらに黙ってゆっくりと車でバンガローに戻った。

 

特にこの後何かあったわけでもなくオチは無い。翌朝BBQの匂いと汗で不快指数MAXの男が二人誕生しただけで平和にキャンプが終わった。見てはいけないものだったのかもしれないし猪などの野生の動物だったのかもしれない(でもあの無音で近づいていくる感覚と暗闇以上に黒い物体は動物では無いような...)

キャンプ場とはいえ野生の動物やソロキャンプ女子に絡むおじさんが現れたりするので気をつけたいね。

 

あ、でも今思うと良いオチがあったな。不快指数MAXだったから帰り道にボロボロの銭湯を見つけて風呂に入れたのはいいけどなぜか2500円(後払い)もしてゾッとしました。あれなんだったの。

 

あんころもちお

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