手取り13万円だけど丁寧な暮らしがしたい

田舎の雑貨屋でアルバイト、へんてこアパートでひとり暮らし。

店をたたむ瞬間

 

1月16日(月)

私の勤めている雑貨屋さんの最終営業日。相変わらず一人で店番をしていた。

 

正直数カ月しか務めてなかったけど、小さい個人店のような雑貨屋さんで一人で店番をすることが多かったし売り場も自由に作れたので愛着はあったと思う。なんだか今日は特別な日になりそうな気がする。

 

いつも通り接客をし、閉店まであと30分。お金の整理をする。ああそっか明日のおつりの準備はしなくていいのか...明日が無いと結構やることがない。商品整理も掃除もしなくてもいいけどなんとなく綺麗にしておく。

するとひとりお客さんがふらっと来店しスカーフを買ってくれた。「たぶん貴方が最後のお客様なんですよ」なんて言おうと思ったけど、言われた方もなんて反応すればいいかわかんないだろうから黙っていつも通りの対応をした。

 

そしてやはりさっきのお客さんが最後のお客様だった。

 

閉店する時間になった。レジ周りを軽く片付け、店のBGM(営業最終日っぽくピアノのソロに勝手に変えた)を消して照明を落として帰った。特別な日ではなかったけどたぶん忘れない日ではあると思う。

 

 

1月17日(火)

お店の片づけの日。朝店の前へ行くと店が白い壁に覆われていた。(ショッピングモールとかで閉店している店って白い壁になってません?あれです。)

でもなんだかまだ閉店した実感がない。

 

売れ残った商品や什器は業者に引き取ってもらうので段ボールにつめていく。床のフロアタイルや壁紙をはがしていく。ほんとうに空っぽにするんだなと思った。最後の最後に重労働だったけど店を畳む瞬間なんてそうそう経験することはないから経験の一つとして行えてよかったかも。(ほんとは良くないけど)

 

思ったより順調に進み、3時間ほどで終わってしまった。

引き取ってもらう業者に挨拶をし、なんにもない店の真ん中でなんとなく座ってみる。(入口全面に白い壁に覆われているので外からは何も見えない)店長と副店長と私。取り外された店名の看板をぼーっと見てみる。たぶんみんな同じとこ見てたんだと思う。

 

ほんとうに終わったねと店長がつぶやく。ちょっと涙ぐんでたと思う。10分くらい座ったまま沈黙が続いた。ここあたりでやっと閉店した実感がわいてきたと思う。涙ぐむことは無かったけどなんとなく胸に違和感があった。たった数カ月の勤務だったけど思ってた以上に愛着あったんだなーって。

 

いつまで座っているわけにはいかないので店を出た。ご飯をするにはまだ早かったので店長と副店長とでフードコートに行き31アイスを食べた。そういえば面接はフードコートで店長と副店長で面接をしたんだよなあー...まさか最後にこのメンバーで31アイスを食べるなんて。とちょっと面白かった。ぽつぽつと思い出話となぜか恵方巻の話をして解散した。

 

ショッピングモールで潰れてしまって白い壁になっているお店。今まではああ潰れちゃったー。なんだっけここー。なんてしか思ってなかったけどなんだか次から見かけたらいろいろ考えちゃいそうだな。

 

さて明日からさっそく新しい職場で勤務だ。

 

あんころもちお

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 楽しい貧乏暮らしへ